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礼文・利尻の花を訪ねて  (2) 利尻富士と沼と花
  

南太平洋の利尻富士
 58年前の記憶では、大きな山を前にした入り江で小船が本船の周りを走り回っていた。 桟橋はなかったから、はしけで上陸するのだった。 稚内から利尻、礼文に渡る船自体が今回のフェリーとは比べ物にならないほど小さかったはずである。 記憶にある操舵室の大きさは今回のフェリーの5分の一よりもっと小さかったような気がする。しかし、あのときのの記憶は、映画「南太平洋」の画面の記憶と混同している可能性があった。 たしか、バリ島だと思うが、立派な山を前にして沢山の小船が果物などを積んで本船に売りに来ていた場面ではなかったかと思う。 その光景とあのときの利尻島の鴛泊港の光景がダブってしまうのだ。 
 今、目の前に、神々しいまでに立派な利尻富士が迫ってきている。 頂上に雲をかぶっているものの、その姿は記憶のままだった。 間違っていなかった。 南太平洋ではなかった。 これだけで今回の旅の目的が達成されたような気になる。 胸が熱くなった。
 
     
  
バフンウニの好物は利尻昆布
   
赤い旗がバフンウニの漁を知らせている 小さい写真上をクリックすると大きな画像が出ます
  
 早朝5時45分、宿のご主人の案内でウニ漁を見に出かける。 晴れていれば逆さ利尻富士を見に姫沼に行くのだったが、頂上付近が曇っているために予定が変更になったのだ。 鴛泊港近くにあるユニークな形のペシ岬を見上げると、その中腹に赤旗が翻っている。 バフンウニ漁を知らせる旗だそうだ。 ムラサキウニのときは紫色の旗昆布は黒旗らしい。 バフンウニの漁は風、波が穏やかなときの朝6時半までの6月中旬からのわずか2ヶ月間程度だそうだ。 気象条件のそろう日はさほど多くはないそうだ。 鏡のように穏やかな海面で漁をしている船は意外にも岸のすぐ近くである。 足で巧みに櫓をあやつって移動しながら、箱めがねをのぞきながらカギ付きの棒で採取している。 一隻に一人だ。 ウニのえさは利尻昆布である。 気がつくと我々の足元の浅い海面下のごろ石の間に大きなタコがいるではないか。 悠々と移動している。 ウニといいタコといい、すぐ手の届くところにいる。
  
  
花の写真撮影に悪戦苦闘
仙法志御崎
 何といっても、今回の旅の楽しみは花をみること、そしてその花の写真を撮ることである。 コンパクトデジタルカメラと一眼レフデジタルカメラそして交換レンズやフィルター各種、さらに簡易な三脚も持参した。 最近のデジカメは画素数が増加して解像度が上がった、ということは画像保存用メモリーの使用量が大幅に増えたということでもある。 一眼レフでは一枚の画像に2〜3MBも食う。 普段使っている256MBのフラッシュメモリー1枚では70枚程度しか撮れない。 メモリーはまだ高価であり、必要枚数を購入するのはしんどい。 そこで、今回は携帯用でバッテリー駆動のハードディスク(デジカメ写真用語ではストレージと呼んでいる。 容量は20GB)を持ってゆくことにした。 これは正解だった。 宿でも、ハイキング途中の休憩時でもカメラからメモリーカードを取り出してからストレージ本体に差し込んでボタンを押すだけで画像データが保存できる。 2台のカメラに共通に使えることも良かった。 したがって、メモリー容量を気にする必要がまったくなかった。 結局、今回の撮影枚数は902枚だった。
  
  
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白いハマナス エゾカンゾウ オタトマリ沼 チシマギキョウ
オノエマンテマ センダイハギ リシリオダマキ チングルマ (実)
ネムロシオガマ ボタンキンバイ レブンソウ コウリンタンポポ
リシリヒナゲシ エゾスカシユリ チシマフウロ ミヤマオダマキ
エゾイソツツジ シャク オオダイコンソウ 姫沼

 しかし、誤算があった。 グループツアーで、写真をじっくり取ることができないこと、これは仕方のないいつものことではあったが、それ以上に今回のコースが花だらけで、間をおかずに次々に現れるために、せっかく植物専門のガイドさんがそれらの花の名前を次々に教えてくださるのに、メモが追いつかないことだった。 特に礼文では、置いてゆかれないように撮影を終わって走って列に追いついて、説明を聞いてメモを書いてまた写真、そしてまた駆け出す、この繰り返しだった。 メモと写真を適合させるのに後で苦労したうえ、どうしても合わないところやメモ忘れで花の名前が不明のままのものも残ってしまった。 途中からはメモ役を家内に頼んで楽になったが、作戦の失敗だった。 MDレコーダーかICレコーダーをポケットに入れて、メモは音声で記録すべきだったのだ。 花の名前と写した時刻を声で入れておけば、写真には自動的に時刻データが記録されるので後始末も効率的となるはずだ。
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