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ゆっくり・きょろきょろ東海道を歩く
その22

大津宿-三条大橋
  
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区間 五十三次距離表 カシミール 歩数計 備考
大津宿-三条大橋 11.8 km 12.0 km 18,020 大津宿:本町三丁目交叉点
日本橋からの累計 467.9 km 491.7 km 695,979
2007年4月

      
大津宿から京都・三条大橋へ

  
日本人ならば、一生に一度は旧東海道を歩きたい
  
 三条大橋にわざわざ遠方から仲間達が集まって出迎えてくれた。 立派な横断幕が準備されていて、通りがかりの若い女性まで拍手してくれた。 実にうれしいゴールインである。  
 
 以下、歩き終えての感想である。

 まず、感謝の気持である。
 そもそも、こうして歩くことが出来ること自体が、かなり幸運なことであるにちがいない。 歩きながらこのことを感じ、この幸運に強く感謝すべきであると思った。 そんなことを考えながら歩いている間に、街道ではたくさんの地元の方の励ましを受けた。 小学生、中学生、高校生そしてピアスのお兄さんまで声をかけてくれた。 わざわざ自転車を降りて声をかけてくださることもたびたびであった。 「自分との戦いですね」といって下さった85歳の四日市のおじいさんや、菅笠をかぶって、路面に図を書いて広重の解説をして下さった沼津のおじいさんの励ましがとても印象的であった。 さらに、友人や仲間からはメールでの励ましをたくさんもらった。 とうとう仲間たちはフィニッシュの三条大橋にまで駆けつけてくれた。 終わりに近づくにしたがって、歩きながらこれまでの道のりを思い出しては感謝の気持がどんどん高まってきたのだが、この三条大橋での歓迎を受けて、途方もなく幸せであることを身にしみて感じた。 改めて、応援してくださったみなさまに、心からお礼を申し上げたい。 
 
 そして、達成感である。
 シルクロードを歩いたわけでも、ヒマラヤを歩いたわけでも、四国のお遍路道を1400km歩いたわけでもない。 その気になれば、そして、健康で、ある程度の時間があれば、だれでも出来ることである。  しかし、若くはない自分にとっては挑戦であった。 200kmを越えた時の島田宿のページにも書いたのだが、なぜこんなばかばかしいことを始めたのかと思ったし、歩き通す自信が生まれたのは、やっと宮宿(熱田神宮)に至ってからであった。 その意味で、とうとうやったのである。 しかしそれ以上に、最初にやろうと思ったことに価値があったと、今つくづく思う。 とにかくやっみるべきなのだ。 もったいないぐらいに素晴らしい体験ができるのだから。

 三番目は、寂しさである。
 美しい旧東海道に恋をした。 これでもか、これでもかと惹きつけられて、すっかり惚れこんでしまった。 だから、別れるのがつらいのである。 早く、替りを探さなくてはならない。
 伝統的な建物や町並みの美しさは、何度も書いた通りである。 そして、街道沿いに感じられる、自然や伝統と融けあった人々の心豊かな暮らしぶりにも心を揺さぶられたのである。 まさに、美しい日本である。

 たとえ富士山に登らなくても、日本人ならば一生に一度は旧東海道を歩き通すことを強くお薦めしたい。


東海道歩きを楽しむために
(今回の東海道歩きで、参考にした資料集)


  
 
  
大津から、逢坂山、山科へと、美しい格子が次々に現われる
      
東海道本線逢坂山トンネルの大津側入口  「これやこの 行くも帰るも・・・」の蝉丸法師を祭った 蝉丸神社下社。 京阪京津線を渡る


 
      
京津線大谷駅の近くに、鰻料理の老舗「かねよ」がある。声をかけて下さって、立派な庭を見た。次回にはここの離れでぜひ・・
車石は、牛車の車輪で磨り減って溝になったのかと思っていたが、そうでなく、牛車が坂を登りやすいように溝を作って敷いたものという 月心寺では吟行会らしきが行われていた

                                                       
  

      
播州や備前などにたくさん見られる焼板壁が現われた。
蔵である

ついに京都市入り

      

    



     

      
これも東海道。 しかも、まもなく終点の三条大橋である。 この旧道に入る曲がり角がわかりにくい。 迷っている人もいた。 不思議なことに案内板や標識はまったくない
坂を下ると京の町が見えてきた。 浄水場を過ぎて蹴上の発電所を曲がれば大橋は近い

      
旧道は蹴上を曲がった後すぐに三条通りから北の裏路に入る。しかし、途中からは時代と共に変化して位置がわからなくなっている
三条通りに戻る


三条大橋に到着である。
   
  
   
 日本橋から三条大橋まで、七里の渡しを除いた公式距離で約470km、カシミール3Dによる地図上の距離測定で約490km、そして、歩数計では旧東海道ルートだけで約70万歩、487kmと出た。 旅館や最寄り駅までの道や寄り道を含めれば500kmをかなり越しているはずだ。 
 しかし、歩いた距離よりも、発見したこと、感動したことの大きさの方に価値があった。 友人たち、仲間たちがこれを増幅してくれた。

 記録しておきたいことが多く、ページのボリュームが予定を大きく越えたが、見ていただける喜びもこの旅の大きな励みであった。 このページを見てくださった方々、感想をお寄せくださった方々に心からお礼を申し上げる。

 本ページが、これから歩かれる方に東海道歩きの楽しみ方のひとつとして参考になれば幸いであるし、街道や町の景観の美しさを考える一助となればさらにうれしいことである。

               平成19年4月  masutani
弥次さん、喜多さんも、先に着いていて迎えてくれた


東海道歩きを楽しむために
(今回の東海道歩きで、参考にした資料集)

  

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