伊豆急全線を歩くtop 
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伊東から伊豆急下田まで80kmを歩く
第5日  第13区〜第15区   
河津駅 ⇒ 稲梓駅 ⇒ 蓮台寺駅 ⇒ 伊豆急下田駅

全線80kmを完歩してゴールしました
        伊豆急ウォーク
資料
 カシミール3D
測定 
実時間
(小休止を含む)
第13区 河津駅-稲梓駅   10.2km   9.1km  2時間42分
第14区 稲梓駅-蓮台寺駅 3.5 3.3     55分
第15区 蓮台寺駅-伊豆急下田駅 4.7 5.3 1時間25分
    18.4km  17.7km 5時間02分

全線を歩いた証明と記念品はこちらです
翌日、下田を散歩して文化の香りを楽しみました。こちらからどうぞ
番外編・天城街道(大滝温泉から河津浜)はこちらからどうぞ

下のルート図、ルート断面図および鳥瞰図はカシミール3Dを利用して作成した             
<写真とコメント> このページの最後にある鳥瞰図の「」をクリックすると、その場で撮影したスナップ写真と小文が登場します
または、こちらのクリックで順番にご覧いただくことも出来ます
今回は、伊豆急全線ウォークの河津から下田までの最後の3区間である。 左の赤いラインが今回のルートだ。

 この河津から下田までのコースは、45年前に徒歩での伊豆半島一周で仲間と歩いたと一部重なる。 その昔は天城トンネルから下田街道を下って河津七滝の大滝温泉に一泊した。 大滝からは、紫色の点線で示したように、、湯ヶ野で街道と別れ、河津浜に出て、海岸沿いの国道を下田に向かったのだった。

 下田街道は、開国のころ、ハリスも歩き、吉田松陰が密航の失敗で拘束され、唐丸籠で運ばれた道である。 その前、松陰は黒船を追って下田に行ったのだが、その往路は伊東から海岸を歩いて下田に入ったそうである。 きっと、今回の伊豆急ウォークで、松陰と同じ道を歩いた部分もあっただろう。 しかし、保土ヶ谷から下田までの間に、鎌倉、小田原、熱海、伊東で泊り、4日後に下田に着いた
(有隣堂発行、川澄哲夫著・黒船異聞)という。 山へ海へと2倍以上の回り道をしたとは云え、我々が5日間もかけた伊東から下田までを、松陰はたった1日で歩いたらしい。 いやはや。

 この下田街道は、もちろん、その後伊豆の踊り子の歩いた道でもある。踊り子一行や主人公である一高生は、天城峠を越えて、湯ヶ野温泉に滞在し、下田街道を下って下佐ヶ野から山に入り、河津浜や伊豆大島が見える山道をまわって、20町ほど近くなるという間道を選んだ。きつい坂を昇って「頂上」を越し、下田街道の本道に戻ったという。
 上の図の緑色のラインが踊り子の通ったと思われるルートだが、山中の「間道」がどこであるかが分からないため、間道への入口を峰隧道の出口付近に、また下田街道との合流地点を稲梓辺りに勝手に設定した想像ルートである。
(踊り子一行が通ったのではないかと勝手に推測した「頂上」ルートの断面図はこちら。 わざわざ450mもの「頂上」を通っただろうか?)
 オレンジ色の点線は、間道ではなく、本来の下田街道である。今の国道414号線である。 計算したところ、間道と推定したルートは本道の下田街道を行ったときと較べて、距離が2.74kmほど短く、伊豆の踊り子に書かれた20町(2.18km)よりもやや(0.5kmほど)近すぎるが、25,000分の一の地図には「頂上」から稲梓まで小経すらなく、まったくの当てずっぽうだから、当たらずとも遠からずと云えるのではないか。
 川端康成は伊豆を再三訪れたようで、このルートを推定するのに役立つ資料があるのではないか、と思って探したが見つけることが出来なかった。中公文庫からの川端康成の「伊豆の旅」という短編集に蓮台寺、下田周辺のことがいろいろ書かれていると知ったが、この本も絶版でまだ手にしていない。
 3月に入ると、天候が定まらず、スケジュールの合間を縫っていつ実行するかがなかなか決められなかった。今回は下田到着の祝杯を挙げるべく、家内と温泉に一泊することを決めていたから、いつ予約を入れるかにも悩んだ。
 好天を選んだはずが、天気予報は二転三転し、前日の予報では雨まで予想されて、何やら悲壮感漂う出発だったが、朝6時出発の前に雨が上がり、出発地点の河津に着いた時は青空が拡がって、みるみるうちに晴れ渡ってしまった。
 河津桜は満開だったが、少し先に行った番外編・天城街道ウォーク(番外編はこちらからどうぞ)の時に較べて、桜には葉も目立つようになった。道端にはいろいろな花が見つかるなど、前回の2月に較べると春真っ只中の感である。途中、マフラーをはずし、セーターをザックにくくりつけ、ついにシャツも腕まくりすることになった。
 全ルートの中で3回目の難所マークがついた河津、稲梓間だったが、さほどの坂もなく、家内も約18kmを軽快に歩き切った。もっとも、終わったときにはかなり疲れていたらしいが。(途中の話題と写真はこちらからどうぞ
 終点の伊豆急下田駅では、駅長さんから全線完歩の証明と記念品(こちらからどうぞ)をもらった。全線完歩は521番目とのことだ。


 一服した後、電車で一駅、ゆっくり戻って、蓮台寺・河内温泉で乾杯した。千人風呂や、この季節では無理であろうと思っていた小型のドーム式天文台で星の観察、そして翌日は下田の散歩を楽しんだ。その際に、下田街道を下ってきた踊り子たちが泊った宿、甲州屋を見つけることもできた。主人公の一高生「私」は、伊豆大島への同行を願う踊り子たちと別れ、下田から船で東京へ帰ったという。(下田散歩はこちらからどうぞ

 東海道ウォークや四国のお遍路さんなどに較べると、今回のウォークは、ままごとのようなルートではあったが、思い出との接点を探すなど、楽しい旅であった。
 お世話になった方々、応援してくださった方々に心からお礼を申し上げたい。
<写真と話題> 下の図中のルート沿いにあるをクリックすると、その場で撮影したスナップ写真とコメントが登場します
または、こちらのクリックで順番にご覧いただくことも出来ます
全線を歩いた証明と記念品はこちらです
翌日、下田を散歩して文化の香りを楽しみました。こちらからどうぞ
番外編・天城街道(大滝温泉から河津浜)はこちらからどうぞ
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