実は、十三峠が中山道一の難所だった

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碓井峠や和田峠以上にきついことを証明できた!--

 予想外に十三峠がきつくて驚いた。 たいした標高ではないのに、アップダウンが繰り返されたからで、その様子は、ルートマップページ の 「 プロフィールマップ 」 で直感的に見ていただける。 
  *このプロフィール図は「美濃坂本-細久手」ページの里程表の下にある
map ボタンから、または目次ページのmap ボタンから入り、
     出てきたページの右端のスクロールバーで下に移動すると現れる

 しかし、これだけでは、和田峠や碓氷峠と比較ができない。 そこで、自分で採ったデータを利用して調べてみた。 ザックの肩に取り付けているGPS受信機に保存された記録データを使ったのだが、データ解析にはカシミール3Dを利用した。

 以下がその結果である。 驚いた。

   最高点

m
標高差

m
累積標高
(上り)

m
累積標高
(下り)

m
水平距離

km
 碓氷峠  (横川-沓掛宿間) 1,194 801 936 -385 17.4
 和田峠 (和田宿-下諏訪宿間) 1,608 766 1,457 -1,501 22.2
十三峠+琵琶峠(坂本立場-細久手宿間) 562 283 1,634 -1,547 26.4

 
すなわち、その日歩いた区間について比較すると、十三峠と琵琶峠を含む今回の区間は、標高差がたった283mしかないのに、累積標高 (上り坂の合計) は、中山道の最大難所といわれる碓氷峠よりはるかに大きく、もう一つの難所、和田峠も上回って、1,600mも上ったことになる。 これで、十三峠がきつかった疑問が解けた。 さらに、和田峠を越えたときに、碓氷峠よりもきついと感じた理由も、これでデータ的にも納得できた。 和田峠は下り坂が厳しかったこと、国道を歩く距離が長かったことも理由ではあるのだが。

 マイナスの累積標高、つまり、京都に向かう方向での下り坂合計でも、十三峠がトップ、和田峠が次いでいる。 碓氷峠はわずかしか下っていないことがわかる。 だから、十三峠は下り坂も長いし、京都から日本橋に向かう場合の上りでも、やはり十三峠がもっともきついことを示している。 

 なお、
map ボタンから入るルートマップページの、もっとも下にあるGPSログ解析の 「総上昇量」 も上り坂の累計を表しているのだが、データにずれが起きている。 この「轍(わだち)」 ソフトは、もともと自転車ツーリング用で、移動速度とGPS高度データの精度の関係から、ある程度の上りが続かないと「上昇」とみなさないらしく、このためかもしれない。 あるいはデータの間引きも関係があるのだろうか。 ここでは、GPSによる元データをそのまま、カシミール3Dで処理して比較した。

 このように、GPSとコンピューターのおかげで、上り坂、下り坂の様子まで簡単に表現できるようになったことも、驚くべきことである。 十三峠を中山道一の難所だと、わかっていたなら、かなりの覚悟で出発したことだろう。 だから、歩き終えてからの解析でよかった、などと思ったのだが、そうならば、これから歩こうとしている方々には、おせっかいで迷惑な情報かもしれない。 お許しいただきたい。