旅日記-我ら青春の1ページその2 北海道一周 第1日 夜行急行北斗号  




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1960年(昭和35年)7月25日(月) 晴れ   masu
  御殿場キャンプから帰った東京の暑さは身にしみる。  
伊豆の旅からずっと楽しみにしていた北海道の旅も、御殿場が終わるまではずっと先のことに思っていたがとうとう25日になってしまった。
 たいしたものも入っていないのにザックはまるまるとふくれてずっしりと重い。荷は重いけれど足どりは軽く、心はすでに上野駅(北海道にあらず)。 7時前に例の場所に行けども誰も居らず。
 間もなくメンバー4人とHさんがそろう。MさんもOKBさんも間もなく(?)笑顔を見せてくれた。貴重な夏休みをみんなそれぞれ送っているのに我々4人のため<たった一人のために>わざわざ見送ってくれる。 幸福だね。<善良だね> 今度の旅行も具体的な目的をもった旅ではないけれど、みんなの好意を無にしないよう、我々の人生の大きな思い出として残るようなものしたい。

 我々の急行北斗号は6番線に入り、すでに乗り込んだ客もいる。ホームで名残りをおしんでいるところにOKさんが来てくれてますますにぎやかになる。 そこへ服部に呼び出しがかかる。<警察からかと心配する> 服部と並んで大きな麦わら帽子をかぶった娘がやってくる。日に焼けた健康そうな顔。 よく見たら IKさん。 尾瀬に行くべく駅に座りこんでいて6番線までわざわざ来てくれたとのこと。 これだけそろえばその賑やかさは部室の昼休み並み。<ツブぞろいだからもっといいはず><賛成>  ところがそれに加えて、大先輩IS嬢が我々の車に偶然一緒になったから、我々はまさにスターなみ(?) <IS嬢「よお」と肩をたたき「あんたたちも一緒?」。三歩後退・・・後退したのはこちら> 交通整理の巡査が出るほど(?) 本当にOKさん、OKBさん、Mさん、IK さん、Hさんありがとう!
発車ベルが鳴るのも知らず、<ウソつけ>名残を惜しみ沢山のおみやげ(せんべつ)をいただいて車中の人となる。幾度か汽車の窓から別れを惜しんだこともあるけれど、今夜のように盛大なのは初めてだ(ちょっとさびしかったけれど・・・)
みんなの心のこもった見送りを受けるとなんだか世界一周の旅行にでも出かけるような、北海道だけで帰ってしまっては申し訳ないような気もする。
 座席に帰ってもみんなの興奮は冷めず(?) 紙の包みを持ったまま立ったり座ったり。<早く食べたいのを我慢している情景>
 しばらくして落ちつくと ISさん仲間を置き去りにしてやってくる。御殿場の話や旅のことなど話は尽きず、そのうちISさん提供の”とうもろこし”も出てレールのひびきも気にならない。
 なつかしい日立工場の小平記念館も窓の外に見え、日立見学のときの話題も出る。そろそろまわりも静かになって我々も脚をのばす(からだを横にできないから)<僕は足ものばせない><大きな足はおき場所もない>
 明日はもう北海道の海、土、そして空の下。

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