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オミナエシ、ワレモコウ、サラシナショウマが揺れる 初秋の 箱根湿生花園 |
2003年8月29日
3年前の5月に仲間9人で訪れた箱根湿生花園にまた行ってみました。 気づいてみると8月も終りで秋の空がひろがり、秋の風が流れていました。 花園の奥にある湿原回復実験区の大きな原では、オミナエシが咲き乱れ、ワレモコウ、サワギキョウ、サワヒヨドリなどが湿原を埋めて、まさに秋色でした。 じっくりと見てみると、春や初夏の華やかで浮き立つような、力が湧いてくるような花々とちがって、秋の花々は、寄植え盆栽にしてじっと眺めていたいと思うような、あるいは、たしなむ方ならば気持ちを俳句や短歌に託さざるを得ない気分となるであろうと想像できるような、和の世界の花たちといった趣でした。 今回の目的のひとつは、・・・ショウマと名の付く植物を訪ねることでした。 自生では四国などでしか見ることができないキレンゲショウマが咲いているとの情報もあり、他のショウマ類を探すのとあわせて楽しみにしていました。 オオバショウマやイヌショウマには時期がちょっと早かったようでまだ蕾でしたが、サラシナショウマが純白に輝いて咲いていて見とれてきました。 キレンゲショウマはハンノキ林の下で俯くように咲いていました。 今年は白神山地のヤマブキショウマ、トリアシショウマや 御岳山のレンゲショウマ などいろいろな・・・ショウマに出会うことが出来ました。 サワギキョウやミソハギは、オミナエシやサギソウとともにこの時期、この湿生花園を代表する花のようで見事に咲いていました。 秋の花は、細く長い茎の先に花をにつけているものが多く、風に大きく揺らいでなかなかとまらず、撮影に苦労しましたが、その揺れる姿をもっともっと佇んで見ていたいと思うような気持ちの良い一日でした。 なお、下の写真集の最後の行のヒメシャラの次、最後にある黄色の花をご存知ですか? これは、箱根ではなく湘南で見た花ですが。 このページの植物の説明は、以下の書籍を参考にさせていただきました。 ・箱根町観光公社 改訂版「箱根湿生花園の花」 2000年4月1日 ・長田武正著(保育社) 「野草図鑑」全8巻 ・菱山忠三郎著(主婦の友社) 「山野草」 平成12年8月20日 これらの書籍に記載のない植物については、いろいろな方のホームページを参考にさせていただきました。 手のひらマークの出る写真はクリックすると大きな画像が出ます |
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乙女峠からの富士です | 湿生花園の湿原回復実験区の原。 オミナエシのほかにも沢山の花々が見えています | ||||
サワヒヨドリ。 沢や湿地に咲くキク科 | ワレモコウ。 バラ科。 「吾木香」、「割木瓜」、「吾亦紅」などいくつかの語源説あり | ナガボノシロワレモコウ。バラ科 | |||
オミナエシ。オミナエシ科。「アワ飯(女飯)」に見立てたらしい。女郎花と書くのは平安以降。花言葉は親切・やさしさ | オトコエシ(男郎花)。こちらは「モチゴメのおこわ飯(男飯)」 | ミソハギ。 ミソハギ科。 「ミソギハギ(禊)」が略された盆の花 | サワギキョウ。 キキョウ科だが花びらの形が変わっている。この湿原の秋の代表格。 毒草 | ||
サラシナショウマ。 キンポウゲ科。 晒菜升麻。 新芽をゆでて水に晒して食用にすることからついた名 | エゾリンドウ。 リンドウ科。東北、北海道の湿地に生える。栽培もされている | ゴマナ。キク科シオン属。 若苗は食用に。 葉がゴマの葉に似る。 | |||
エゾミソハギ。ミソハギ科。 平地に咲くものより大型。 | ヒゴダイ。キク科。 直径5cmほどの淡紫色の美しいこの花は、岐阜、愛知、広島と九州にある。 | キレンゲショウマ。ユキノシタ科。 図鑑には、レンゲショウマと雰囲気が似ている、とあるがそうだろうか。 四国と九州の山林に生える | |||
アシタカジャコウソウ。 シソ科。 愛鷹(山)は沼津市などにまたがり、特有な植物が生育しているという。 | ルリトラノオ。 ゴマノハグサ科。 ヤマトラノオの仲間。 「トラノオ」もいろいろな科のものがある。 調べてみたい | ヌマトラノオ。 サクラソウ科。 オカトラノオに似ているが花が小さく先まで直立する。 | カワラナデシコ。 ナデシコ科。 川の土手に良く咲くための名。 秋の七草 | ||
コオニユリ。 ユリ科。 | ミズアオイ。 ミズアオイ科。 水に生えるアオイに似た葉。 水田に生える草だったが農薬で減った | ベニサワギキョウ。 図鑑に掲載ないが、北アメリカ原産種。 園芸化され日本でも広く出回っている。 | オクトリカブト。キンポウゲ科。名はみちのくに多いことから。 渓流沿いや林内、沢筋など。 2番目に強い毒を持つ。 | ||
(左)ツリフネソウ。(右)キツリフネ。 ツリフネソウ科。 垂れ下がった花が舟を下げた姿に似るためという。ホウセンカと同様、さわると実がはじける。 花言葉は「さわらないで」。 ツリフネソウは日なたに咲くが、キツリフネは半日陰を好む。 | アサマフウロ。 フウロソウ科。 浅間山麓に多い。 | センジュガンピ。 (千手岩菲)。 深山の林内に生える白色のナデシコ。日光の千手ガ浜で発見された。 | |||
ポンテデリア。 ミズアオイ科。 水に生える。 | ミヤギノハギ。 マメ科。 東北、北陸、中国地方に自生。 宮城県の県花 | ヒメシャラ。 (姫沙羅)。 シャラ(ナツツバキの別称)より花が小さいため | これは何の花でしょうか。ちょっと意外かもしれません。 答えは次号で | ||
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