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式根島散歩

2009-10
    

  
久里浜-式根島航跡と式根島ウォークルートマップ
  
マップの左にあるスライダーで上から5番目ぐらいの位置にセットし、
下の右端を「500倍速」あたりに変えて、「先頭トラック」をクリックしてから、
「トラック再生」 を押すと航跡、軌跡の通りに移動します

<参考> ルートマップを見る方法
  

 式根島に行ってきた。 高速ジェット船に乗ると久里浜港から2時間20分である。 美しく澄んで実に美しい海と、崖の間にあるまぶしいほどの白砂、100メートルに満たない高さの山なのに、白い岩の上にハイマツのような針葉樹が地を這い、まるで高山のような風景、等々。 そして、波の砕ける岩場に熱く沸く温泉。 これほどの、変化に富んだ自然豊かな島だが、この式根島は、伊豆七島には入っていない小さな島である。 今は否定的な意見が大勢を占めているが、かつて隣の新島と陸続きであって、江戸時代の大地震と津波で離れてしまったと説があったらしい。 いずれにしても、この小さな島は伊豆七島のうち八丈島以外のすべてが見渡せる、雄大なパノラマを持っている。 
 人口550人ほどの小さな島だが、夏は海水浴客で賑わい、そのほかの季節も、釣り人、サーファーそしてハイカーが大勢訪れる。 珍しい海の温泉を楽しむ人も多い。 今回、ウォーキングやサイクリングを楽しむ外国人の姿が多いことに驚いたし、繰り返しこの島を訪れる人の多いことも知った。 豊かで潤いのある自然と、島の人々の温かくて、飾り気のない人柄と気配りに接して、さもありなんと納得した。
 
久里浜港を出発
新島の北にある鵜渡根島
この高速ジェット船 「セブンアイランド」 で行った。 
時速80キロメートルで、自衛隊の潜水艦や大型客船をすいすい追い越した
新島港ですれ違った大型船「かめりあ丸」。
これに乗ると、東京竹芝桟橋から式根島まで11時間かかる
式根島港に到着する、下田からの小型客船。 
神津島経由で3時間という
新島の絶壁の下を式根島に向かってきた連絡船 「にしき2」
式根島の野伏港
  
前方の崖は新島の南端である  この上にミサイル試射場があるらしい
   
野伏港に上陸し、宿に荷物を置いてウォークに出発
  
式根島の最高標高地点に近い神引(カンビキ)展望台から北を望む
海の青さが素晴らしい  到着した日は曇りがちだったため、翌日もう一度一人で行ったときの写真である
この辺りの石は白い「コーガ石」である。
抗火(コウカ)石ともいい、ガラス質、多孔性の軽くて耐熱性のある石材となる
地を這う針葉の間に咲く奇妙な花があった 帰って調べると 「ナンバンギセル」 に似ている。  
しかし、イネ科の植物に寄生するとのことなので違っているかもしれない。

なお、この「地を這う樹木」はハイマツに似ているがこの辺りにあるはずもなく、
これも帰って調べて、「オオシマハイネズ」であることが分かった。  
ハイネズはヒノキ科ビャクシン属の針葉樹で、やはり、地を這うから「ハイ」である。  
山を少し下ると、クロマツが強風でハイマツのように背を縮め、
さらに林の中では、盆栽風の見事な枝ぶりの樹も多い
「唐人津城 (トウジンツシロ) 」 といい、誰もが古城の跡と勘違いするがそうではないという。 
 「ツシロ」 は人や魚が集まるところという意味とのことらしい。 「唐人」 の由来は分からない。   
荒涼とした姿は、やはり強風のなせるところという
式根島いちばん人気のスポット 「地鉈(じなた)温泉」。
絶壁にある230段の階段を下りると岩の間に現れる。
潮の具合で温度が変わるので、ほどよい場所を探して入る
地鉈海中温泉に波が寄せてくる
こちらも海中温泉の 「足付温泉」。
熱すぎたり、ぬるかったりと、ほどよいところを探すのに苦労した
こちらは高温の源泉を調節しながら注いでいて、
適温が心地よい 、「松が下・雅湯」 である。
向こうに足付漁港が見えている
熱湯の浜が湯気を上げている
   
村営の養殖場  真鯛とシマアジを育てている
これは真鯛らしい
式根島のインフラはたいへん立派である。   さすが東京都である。   かつて明治の初期には、伊豆七島は静岡県に属していたこともあるが「豊かな」東京都に移って良かったのだろう。  井戸水は塩分があり、飲み水には天水(雨水)しかなかったころ、 当時の美濃部知事が、隣の新島から海底に水道パイプを引いてくれたことが画期的で、住民は今も美濃部さんの方に足を向けて寝られない、と言っていた。
でも、この写真の道路はまだ出来て間もないようだが、全線を歩いているときに、一台のクルマも一人の歩行者も見かけなかった。   夏は船の席が取れないほどの人気というから、この道も賑わうのだろうか。  人口550人の島ゆえ、タクシーもバスもないし、フェリーも来ないのだが
泊海岸   この澄んだ水と白砂が描く扇は実に見事
帰りの船を待つために港に戻ると、桟橋で釣りをする人たちがいた。  ここからかなりの大物が釣れるとのこと。  
このお嬢さんたちは船を待つ間、釣りを楽しんでいるようだ。  魚がいっぱい見えるのだが食いついてくれないといっていた
夕方、スコールのような夕立に会ったものの、それ以外は天気に恵まれた。
雄大な景色、繊細な景色そして海中温泉も楽しんで、印象深く、充実した式根島散歩であった
   
久里浜-式根島航跡と式根島ウォークルートマップ

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